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2004年10月28日
明日ジャズ7:横より上を目指そう
個性的なプレーヤーになるために。
明日のジャズマンのために その7:
横より上を目指そう
ジャズを始めて半年から数年経つと、ついつい人のプレイと比較してしまいます。「あいつの方がっかこいいフレーズ吹くな」とか「テクニックで負けてるな」とか。そうやって比較をしていると、自分の弱点にばかり目が行ってしまい、「俺、ジャズやめようかな」なんてことになりがちです。また、他のプレーヤーがちょっとモダンな奏法をしているから自分もそれを真似するとか、ひたすらモーダルなプレイをする奴がいるから自分も負けじとモードを練習する、という「周りがやるから自分もやる」という罠に陥りがちです。
ぶっちゃけ、人のプレイはどうでもいいんです。自分が気持ちよくプレイできることが重要なので、人と比較してどうとかいう考えは意味がありません。
ジャズのアドリブを英語にたとえてみましょう。自分を含めてまわりは全員初心者から話し始めて、1年後に各々がある程度のレベルに達します。ある人はイギリス英語風の発音、ある人はアメリカ英語風。当然、ネイティブから比べるとまだまだでも、中にはちょっと上手い人も出てきています。そんな人の英語を聞いて、「ああ俺は全然駄目だ、上手くなれないからやめようかな」とか、「俺もイギリス英語に鞍替えしようかな」などと考えるのはおかしい。目指すべきはもっと上です。
オスカー・ピーターソンが「なにがいまホットか追い求めるよりも、自分が何をしたいのかを知るほうが重要だ」と言っていました。そんな彼は、多くのプレーヤーが、ジャズシーンで刹那的に求められる新しい理論や技法を追い求めている間に、彼なりのスイングをひたすら追及し独特の個性を築き上げました。その結果、彼が繰り出すピアノサウンドは、どの曲を聴いても「オスカーだ!」と判るほどに個性が強い。クラシックでなくジャズをやる以上は、人の真似をするのに時間を割くよりも、自分が考えるジャズとは何かを追求する方がいいと思います。
とはいえ、「自分なりのジャズ」は最初の一年はわからないので、目標とするプレーヤーは居た方がいいです。トランペットであれば、マイルスのようなクールさ、クリフォード・ブラウンのようなリリカルフレーズ、ディジー・ガレスピーのような尖がりスタイルか、など。ピアノなら、エバンスに知的路線か、オスカーのような賑やかさか、ジャマルのような言葉少なめだけど多くを語るスタイルか、はたまたその全てを混ぜたものか。英語で言えば、黒人ラッパー風のレイドバックな発音と節回しをマスターしたいか、エド・ハリスばりのハキハキとした発音をマスターしたいか、具体的な目標があった方が自分の進捗もはかりやすいのです。
多くのアーティストが残した名テイクを色々と聞いていくうちに「なりたい自分のプレイ」が見えてくるので、ひたすらそのプレーヤーのCDを聞きまくってエッセンスを理解し、練習、セッション、そしてライブでそのプレイを少しずつ取り入れていけば、少しずつ目指すプレイに近づきます。もしスイングできなかったら?なぜスイングできなかったか自問自答して、後ほどその曲のアドリブをおさらいすれば、次回はもう少しだけスイングできます。その繰り返しで、いつしか「ごきげんだねぇ」と言われるプレイができるようになります。
明日のジャズメンよ、大志を抱け。
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おまけ。今日のジャズピアニストにお勧めCD:
Oscar Peterson「The Good Life」
Oscar Peterson (pf)
Niel-Orsted Pedersen (b)
Joe Pass (g)
大学2年の時に同期のギタリスト山賀ヒロアキ氏(現在山口県にて橋の設計中)が「これいいよ」と貸してくれたCD。彼はギタリストだけにJoe Passの早びきフレーズを聞いて買ったかもしれないが、僕はオスカー・ピーターソンが矢継ぎ早に繰り出すスイングしまくり、歌いまくりのフレーズに完全にノックアウトされた。1曲目"Wheatland"(Windows Media PlayerでWheatland試聴) のメロディの美しさと相反する倍テンポの怒涛のアドリブは冬の日本海のごとく。蝶のように舞い蜂のように刺す!
US Amazonのレビューに書かれている内容には全く同意。
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Of particular interest is the song "Wheatland." ... the song begins as, frankly, little more than pleasant piano noodling, perfect for background music while dining ... but within 60 seconds the trio has built the song into a driving, bluesy, hard bop tour-de-force, with Peterson unleashing his peerless chops on the unsuspecting and shell-shocked audience ... four minutes later, you realize that you've been holding your breath during Peterson's solo.
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息も止まるプレイに乾杯。
投稿者 g_nagata : 2004年10月28日 01:15




