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2004年11月25日
明日ジャズ11:枯葉をバッキングしよう
ジャズピアノ、演奏者のバッキング一つでフロント楽器のメロディやアドリブの生き死にが決まります。ということで、ピアノジャズ実践編その2はバッキングについてです。
(明日ジャズ、Jazzコラムのアーカイブに一挙まとめてあるので、読みづらい方はアーカイブからご覧下さい)
明日のジャズマンのために その11:
枯葉をバッキングしよう
ジャズピアノやギター等のコード楽器で最初に突き当たるのが、バッキングってどうするんだろう?という疑問。バッキングはアドリブと同じくジャズメンにとって永遠のテーマでもありますが、正しいバッキングというものはありません。オスカー・ピーターソンのように音数を多めに、レッド・ガーランドのようにシンプルに、ビル・エバンスのように言葉少なめにど、プロのバッキング手法も人それぞれ。
とりあえず、比較的正しく聞こえるバッキングのリズムがあるので、まずはそれをマスターするのが手っ取り早い。それができるようになったら、どんどんバッキングの種類を広げて行けば「小気味よいバッキングするねー」と言われるようになります。アドリブはまだまだでも、バッキングができれば使えるピアニストとしてバンドに入れてもらえますから。
比較的正しく聞こえるバッキングはどうするか。
比較対象として、正しく聞こえないバッキングを聴いていましょう。リンクはMIDIファイルなのでクリックすればメディア・プレーヤやQuickTime Player等でPC上で再生できます。

図1:各小節の1拍目、3拍目の頭にコード
各小節の頭と3拍目にコードをジャン、ジャン、ジャン、ジャンと弾いています。これはクラシックやポップスには使えるのですが、ジャズのバッキングとしては緊張感がありません。ジャズの面白さは音とリズムが織りなす絶妙な緊張感にあるので、ドラムやベースがバリバリテンションな演奏をしている中でピアノが小節の頭に音を弾いていたら一人だけ浮きます。
もう一つ、いまひとつ正しく聞こえないバッキングを聴いてみましょう。
これはちょっとジャズっぽいです。小節の頭をずらして、2拍目の裏と4拍目の裏にコードを入れています。レッドガーランドが常にやっている「2-4裏」というパターンに近いのですが、何かが違います。その理由は、曲に対してコードが遅れて入っているからです。視覚化したものを見てみましょう。

図2:各小節の2拍目裏、3拍目裏にコード
比較のために図1の内容を図2の上段に記述しました。上段と下段を見比べると、1拍目のコードが2拍目裏に、3拍目のコードが4拍目裏に遅れて入っているのがわかります。これだと緊張感どころか、トロトロな感じでかっこ悪いですね。
では、ちょっと正しく聞こえる、ジャズっぽいバッキングとはどういう形でしょうか。まずは絵で見てみましょう。

図3:前小節の4拍目裏、2拍目裏にコード
図2と図3における、上段と下段の関係を見比べてください。1拍目のコードが前の小節の4拍目裏に、3拍目のコードが2拍目裏に先走って入っているのがわかります。この、上段のビートと比較して1/2拍早くコードが入っているのが「裏拍」です。「2-4裏」と呼ぶとまるで遅れてコードを入れるような言葉で混乱をきたすので、僕は「2-4裏」とは呼ばずに「4-2裏」と呼んでいます。
それでは、「4-2裏」を使った枯葉のバッキングを聴いてみましょう。1コーラス目は4-2裏にほぼ忠実にコードを入れて、その後のコーラスは4-2裏を基本としてバリエーションを増やしています。コードをどこに入れるとしても、常に頭の中には4-2裏が流れていて、その上で「ここは曲に合わせてジャッジャーとやってみよう」「ここはジャジャジャンだな」というような弾き方をしています。
どうですか、ジャズっぽいですか。
ついでに、このバッキングに対してテーマとアドリブを入れたものも。4-2裏に徹することによって、前テーマのメロディを一切邪魔しない、「正しく聞こえる」バッキングとなっているのが判ります。2コーラス目以降、アドリブまで入ると場所によってはバッキングの音が多すぎてアドリブの邪魔をしているのも瞭然。
バッキングに使うコードの構成音も重要ですが、それ以上にリズムは重要。入れる場所によって印象が全く変わってきます。是非、この4-2裏をマスターして、応用することで「おお、ジャズっぽい」と思えるバッキングに磨きをかけましょう。フロントとやるにしても、ピアノトリオやソロでの一人バッキングにしても、この奏法を完璧にこなせればジャズ度がぐんとアップ!
明日のジャズマン達よ、大志を抱け。
尚、次回の明日ジャズは「3分で弾けるジャズピアノ」です。嘘です、3分では弾けません。そろそろネタ切れなので、もし内容にリクエストがあればコメント欄に記述お願いします。
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おまけ。今日のジャズピアニストにお勧めCD:
Red Garland 「Groovy」
Red Garland (pf)
Paul Chambers (b)
Art Taylor (ds)
バイト先にこのレコードがあったので死ぬほどかけて聴きまくったこのアルバム、名前の通りかなりグルービーです。そのグルーブ感は、一定のリズムで球をころころ転がすように流れるガーランドの右手アドリブと、その流れに逆らうように4-2裏を刻みまくる彼の左手バッキング、このギャップがリズムの対流を生み出しています。冒頭のCジャムブルース(Media Playerで試聴)で弾きまくられる最高にかっちょええフレーズや、Willow Weep for Meの泣けるブルージーさ。ピアノトリオの参考にもなりました。CDを手にとっただけでヨダレを垂らすこと間違いなし。
(垂らしません)
投稿者 g_nagata : 2004年11月25日 00:55




