Kamesan Daily

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2004年12月03日

映画で守ろう正義のアメリカ 「ブラックホークダウン」

アメリカという国は好きだけど、アメリカ国家は大嫌いだ。

ジョシュア・ハートネット/ユアン・マクレガー主演の戦争映画「ブラックホーク・ダウン」。クリントン政権時代にソマリアの内戦に軍事介入した際に、特殊部隊を乗せたヘリ「ブラックホーク」が2機撃墜された。合計19人のアメリカ兵士が地元の武装勢力による抵抗に遭い死亡、「そのうち1人は騒乱状態の市民に遺体を引きずり回されてさらし者にされ、そのシーンをテレビが世界に向けて放映するという事態」(ソマリアの和平を壊す米軍の「戦場探し」より)になり、アメリカ国内では反戦ムードがにわかに高まりソマリアから撤退することになった。

映画の中でアメリカ兵は武装勢力に囲まれ、増えゆく怪我人を抱えながら支援を待つ。命からがら戻った戦闘員がドキュメンタリー・タッチで戦争とはなんぞや、アメリカの正義とはなんだ、という問いかけに答えるところで映画は終わる。

戦争に興味のない日本国民に、このタイミングでこの映画をテレビ放送した理由には、この映画が持つメッセージ、特にある一つのシーンの重要性が関連しているのでは、と考えられる。そのシーンとは、米兵が民間人女性を射殺する場面だ。

イラクのファルージャ侵攻において、民間人が背中から撃たれて射殺されたとか、戦闘能力のない子供が殺されているとか、病院に怪我人を運ぶ救急車までもが米兵に攻撃されているという情報が上がってきている。当然、それを知った国民としては「なんで民間人を射殺するのか?」という素朴な疑問が浮かぶ。

ブラックホーク・ダウンのワンシーンにはこんな「答え」がある。

撤退する米兵部隊の前を現地の女性が横切る。彼女は怪我をして片足を軽くひきずっており、武装した米兵を見ると「ひぃっ」と悲鳴をあげながら逃げまどう。その後、物陰に隠れていた米兵が言う - "Don't you do it... don't you do it !" しかし、彼の願いは届かず、その女性は地面に落ちていた銃を拾い米兵に向けた。米兵はやむなくトリガーを引き、哀れ女性は射殺。そう、その女性はアンチ米軍のゲリラ兵だったのだ、殺されても仕方がなかったのだというオチ。

陸軍がこの映画の為に本物のブラック・ホークを飛ばすぐらいに、軍隊が映画に協力をしている。映画「パールハーバー」では、娯楽作品を使って史実を捻じ曲げ「日本は卑怯なことをした国だ」(故に、原爆を落とされても致し方なし)という印象を世界中の若い人たちに残すのを成功したように、ブラックホーク・ダウンは「正義の味方米国兵は、理由なしに民間人を殺すことなどない」という印象を、たったワンシーンで残すことに成功している。

「双子の赤字」アメリカは戦争依存体質。数年おきに兵器を消費することで沈没を免れている。日本はそんな国に追随して、自衛隊を「ロケット弾で攻撃されても非戦闘地域」サマワに派遣。伴う法改正や増税。最近の橋龍の情けない受け答えに負けじと小泉も落ちつつある。そのうちマイケルムーアが作る映画に「私は戦争首相だ!」という発言を撮られてしまうかもしれない。

因みに、ソマリアの米兵死者は19名。
ソマリア人の死者は1000人と言われている。
その1000という数字に、絨毯爆撃やうっかり射殺で殺された人達は含まれているのだろうか。これを虐殺と言わずなんと呼ぼうか。

投稿者 g_nagata : 2004年12月03日 02:11