Kamesan Daily

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2005年11月17日

義理とObligationとバファリン

アメリカには"Happy Hour"というものがあります。

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通常、夕方4時~7時まで。この時間になると、多くのレストランやバーでは飲み物や食べ物が半額になり、仕事を早く切り上げてハッピーな時間を過ごしにくる人でにぎわいます。UCSDのMBAコースでは、毎週ハッピーアワー飲み会が企画され、授業の外でクラスメイトが交流します。

今回のハッピーアワーは、生徒以外もWelcomeということで、学長や教授もきてくれました。

リーダーシップ&ストラテジーのZak教授が、世界各国の文化の違い、言語の違いについて話していました。一つの事柄・事象を表現するにあたり、ある国の言葉では表現できるが、別の国の言葉では表現すらできない場合がある、と。

たとえば、「義理」という言葉。英語に訳すと"Obligation"ですが、Obligationは日本語に戻すと「義務」であって「義理」ではありません。義理という言葉の漢字を見ると、義という部分は精神的であり、理は論理的である。義理の半分はSoftであり、もう半分はHardなんです。半分だけ優しいバファリンのように

人と人が関係を結ぶにあたり、ソフトとハードが組み合わさって「義理」が生まれる。この考えは、単一の英単語では到底表現できません。

僕が一番嫌いな言葉「社交辞令」。これは、義理とは正反対。言ったことを守る、感謝の気持ちを表す、好意に対してお返しをする、という「義理」の素晴らしさに対し、「今度、ご飯でも食べに行こうよ」「前向きに検討します」「あなたのことは嫌いじゃないんだけど、今は誰とも付き合いたくないんだ」と、その場を取り繕うために思ってもいないことを口に出す。

アメリカは人間関係がドライなので、社交辞令は基本的に使いません。食べたくない人とは「ごはん食べにいこう」とは言わないし、無理なことは「できません」というし、嫌いな人には「私のタイプじゃないの」とはっきり言います。

Obligationという言葉に戻って。
「義理」を"Obligation"としか訳せないということは、アメリカ人にとっては、全ての人間関係は義務なのでしょうか。夫婦の間に存在するのは愛ではなく、義務。結婚しているから、養う義務、愛する義務、子供を育てる義務がある、と。恋人の間に存在するのも、義務。プレゼントを買う義務。ディナーに連れて行く義務。ドアを開ける義務。友人との関係も義務。友達だから、一緒に遊ばなくてはいけない。愚痴を聞いてあげなきゃいけない。

もしそうだとしたら、なんて堅苦しい人生だろうか。
僕は、義務ではなく義理で人間関係を結びたい。一緒にいる理由、得することがあるから、というハード&ドライな面と、一緒にいたいから、一緒にいることが正しく感じるから、というソフトで優しい面。

義理の素晴らしさ。アメリカにいなければ、考えなかったこと。
日本語って奥深いですよ。考えれば考えるほど。

投稿者 g_nagata : 2005年11月17日 18:00


コメント

ジョージ♪

あえて言葉には表現しない”優しさという礼儀”

言葉ってその国の文化や背景が密接に関係しているんだって思う。英語で大好きな表現は「miss you」と「sweet pain」
前者は親しい間や恋人などではよく使うフレーズだよね。けど、これを日本語で表現する場合、何だろう?
後者は私の造語で、私の友人たちも気に入って使っているらしい(笑)恋をすると切なくなるけど、日本語の「切ない」ではちょっと違うの、そのとき私が表現したかった感情は。そしたらこの言葉が浮かんできて、思わず使っちゃいました(^^;

言葉って素敵だよね♪

人を傷つけてしまうこともあるけど、人を勇気つけたり癒したりするのも言葉の力。どちらの言葉を言霊として相手へ伝えるのかは自分次第!

投稿者 mayumi@東京 : 2005年11月18日 09:37

この話を読んでいると,Obligation = "社交辞令"と解釈できて,社交辞令を言わない北米人は,実は社交辞令というObligationを背負って生活しているってことでしょうか?

個を重んじる国柄と,和を重んじる国柄の違いだと勝手に整理するのは良くないのだけど,どちらも素敵だとは思いますよ.怖いのは,価値観の崩壊で,和を重んじなくなった日本と個を重んじなくなったUSを憂えています...

投稿者 正吉 : 2005年11月18日 15:19

mayumi,
言葉って、物凄くエネルギーを持っているよね。
ぱっと見るとなんてことない言葉でも、実は深い意味があって。
英語の"Tuning"は日本語では「調律」だけどさ、僕はTuningよりも
「調べを律する」という言葉の方がすき。
Miss youは直訳すると「寂しい」だけど、ちょっとニュアンスが
違うよね。「切ない」はネガティブな響きしかないけど、Sweet
Painはいい感じ。好きだからこそ切ない、うれしい切なさなんだよね。
今度使ってみよう。

誰に?

まさきち、
日本語にあって英語にない言葉・・・本音と建前。
とあるアメリカに馴染めなかった日本人が、「日本人は
本音と建前を使い分けるが、アメリカ人は建前と建前しかない」
って言ってったな。カルチャーギャップを越えられなかったみたいだ。

最後の一行、感慨深いね。ブッシュ政権のアメリカは帝国主義に
なりつつある気がする。スターウォーズのパルパティーン=ジョージ。

投稿者 ジョージ : 2005年11月19日 17:08

ハッピーアワー知りませんでした。どこでもやってるのですかね?
いつかいってみたいです。

言葉って難しいです、日本人の得意は本音とタテマエですよね。以前コリアンの友達に日本人はあるんでしょ?って聞かれたことがあります。義理と義務じゃないけど、アル意味そっちのほうが私にはドライなように思えます、だって、やさしさなのかタテマエなのか『どこかで、ご飯食べよう』と聞き『いいよ』と返事しながら、直前になって理由作って毎回ドタキャンされるほうが一番辛いから。なら初めからタテマエなんてせず断わってくれたほうがずっとマシって思ってしまうのです。そう思いませんか?言葉もそうだけど考え方にしてもやはり割とドライなのは日本人ではなのかなって最近思います。

投稿者 myu : 2005年11月21日 09:18

ほんの少しだけ優しさの溶かされた言葉・・・

それはきっと感性でしか感じ取ることができないような気がします。全員が感じ取ることができるなら、きっと争い事も悲しい思いも世の中には生まれないと思うから・・・

最近感じるのは「同じ言葉」を使っているのに、意味していることが違うって経験ないですか? 
たとえば「愛」って言葉から想像する世界があるけど、私が思っているその深さと他の人が思っている深さが違ったり。奥行きも同様です。
私は言葉を使った仕事をしたいと思っているからか、とても敏感になってしまうところがあると自覚しています。それは普通に会社員として生きていくには必要ないもので、むしろない方がいいようにも最近思ったり。
言葉って影響力があるから、責任を持って大切に扱わないと壊れてしまうものがあるよね。
もっと大切に言葉を使えたら・・・
私の課題でもあるかな。

投稿者 mayumi@東京 : 2005年11月21日 16:37

myuさん
僕の印象では、日本人の方がアメリカ人よりウェットです。
とはいえ、個人差があったり、付き合いの度合いによって
ドライ→ウェットにも変わったりするのでなんとも言えませんが。
日本人は最初は超ドライで、知り合うとどんどんウェットに。
アメリカ人は最初がウェット風で、知り合うとよりドライに
なる相手とよりウェットになる相手と分かれる気がします。


Mayumi
僕も言葉にはとても敏感。小さな言葉のあやで傷ついたり、
人を傷つけたかどうか凄く不安になったり。
「つらい」「不安」「もやもやした」「愛情」などなど、様々な
言葉があるから、それに順ずる感情を持つのであって、言葉が
なければそのような感情は持たない気がする。じゃあ犬は
不安を感じないのかといえば、そんなことはないんだけど。
Blogの文章や一つ一つのコメントは言葉の塊、すなわち
書いている人の人となり。大切に書かなきゃね。

投稿者 ジョージ : 2005年11月26日 18:46